遺骨ダイヤモンドとは?新しい葬儀・死との向き合い方

大切な人 ブログ

遺骨ダイヤモンドとは、故人やペットの遺骨・遺灰・毛髪などから炭素を取り出し、高温高圧の装置にかけることで製造された人工ダイヤモンドで、メモリアル・ダイヤモンドとも言われています。
最近は葬儀の多様化が進む中で、お墓の代わりや身近な人をいつも近くに感じていられるということから、遺骨ダイヤモンドの製造を依頼する方は年々増えています。
ここでは、遺骨ダイヤモンドとは遺骨ダイヤがなぜ好まれる理由や、世間ではどのような意見があるのか?具体的にどう作るのか?についてご紹介します。

遺骨ダイヤとは

天然のダイヤモンドも炭素からなるもので、天然ダイヤモンドと遺骨ダイヤモンドの輝きや硬度はプロでも見比べるのは困難でです。
出来上がったダイヤモンドは一人ひとり違った色合いとなり世界にたった一つのダイヤモンドとして、ご家族様といつまでも共にあり続けるのです。

遺骨ダイヤモンド自体は日本では2004年頃からサービスが開始されています。
日本法人の中でも有名なのはスイスに本社を置く[アルゴダンザ]、アメリカに本社をおく[ライフジェム]の2社ですが、最近では様々な会社が遺骨ダイヤモンドのサービスを開始しています。
大切な家族の遺骨を預けることになるのですから、信頼できて自分たちの考えと合う会社にお願いしたいですね。

新しい葬儀のカタチ。どんな人がやるの?

遺骨をダイヤモンドにすることは、ダイヤモンド葬とも言われ、最近増えてきた
・故人との思い出を大切に、いつまでも共にいたい方
・お墓を次ぐ人がいない方
・子供に負担をかけたくない方
・墓じまいを考えているが、散骨には寂しさを感じている方
・宗教的な儀式に興味がない方

遺骨ダイヤモンドについては様々な意見がありますが、上記の2社だけでも既に1万人を超える依頼があることを考えると、肯定的な見方も多いと感じられます。

終活の選択肢のひとつとして前向きに考えられている

大切な人と一緒にいられる、心の支えに

死後もダイヤとしての人生を妄想する方も

地方を離れて行く若者が多い時代背景から考えると、新しい葬儀のカタチである遺骨ダイヤモンドは今後より支持されてくるのではないでしょうか

気になる遺骨ダイヤの特徴

①遺骨ダイヤの品質は天然ダイヤと変わらない

遺骨ダイヤモンドに限らず、そもそも現在の人工ダイヤモンドはベテランの宝石鑑定士でも見分けがつかない程のクオリティなのです。
見た目だけではなく、ダイヤモンドの価値を図る4C(重さ、透明度、色、カット)を見ても天然ダイヤとの差はありません。
他にも硬度、屈折率、分光特性などがありますが、こちらも差はありません。これらの数値は遺骨ダイヤモンドの依頼先に証明書としてもらうことができます。

②費用的にはお墓を持つよりは安くつくことも

遺骨ダイヤモンドは、ダイヤの精製・カットで、0.1ct 約30万円〜 2.0ct 約300万円で制作できます。指輪にしたりネックレスにしたりと、アクセサリー加工をする際は更に10〜20万円程度かかります。

こちらの記事「[人には聞けない、お墓や墓石の値段・相場]」によると、お墓を100万円以下で購入した人は500人中4分の1程度、4分の3は100万円以上、最大で500万円以上かかった方もいます。

お墓は買って終わりではなく、お手入れや管理費なども発生するので、子供に負担をかけたくないとの思いから遺骨ダイヤが選択される理由のひとつです。

メモリアルダイヤモンドの種類

遺骨ダイヤモンド(メモリアルダイヤモンド)は遺骨以外からも製造することができます。小さなお子様やペット、分骨などで遺骨が少量しかない場合でも炭素が入っているもの(燃えるもの)があれば、そこから炭素を抽出し、高温高圧の環境下に置くことで同じ品質のメモリアルダイヤモンドができるのです。
ちなみに、ご遺骨から作る場合はご遺骨は300g(骨壷の1/3〜半分の量)が必要になります。

髪やペットの毛から

髪や毛には炭素が多く含まれており、10g程度でダイヤモンドを作成することができます。故人ご本人の髪に、ご家族の皆様の髪やペットの毛も合わせて。いつまでも家族が一緒に感じられる唯一無二のダイヤモンドができます。

手紙や思い出の品から

ご遺骨を全て使用しても炭素量が満たないと思われる場合は、手紙やぬいぐるみやお気に入りの本など、天然素材のものであればそこから炭素を抽出してダイヤモンドを製造できます。
出棺の際に故人の思い出の品を添えるように、故人が好きだったものに囲まれる幸せな環境をダイヤモンドで再現できます。

遺骨ダイヤの製造工程と期間

①分析・検査
②炭素の抽出
③炭素を黒鉛に変換
④カット・レーザー刻印

遺骨ダイヤモンドを作る前に知っておきたい注意点

現状の技術では本当に故人がダイヤになったのか証明できない

ご遺骨の様々な成分の中から炭素を抽出するため、一度ダイヤモンドになってしまうと、現状の技術ではDNA鑑定を行うことはできません。
完成されたダイヤモンドをその故人と認めるしかないため、そもそも会社選びの段階でしっかりと話しを聞き、心から信用できる会社を選ぶようにしましょう。

紛失・盗難の恐れがある

ダイヤモンドになると骨壷よりも更に小さくなり持ち運びも楽になります。普段から身につけたり、ご家族の晴れの日に身につけたりと、外に持ち出すことも増えると紛失の可能性も高くなってしまいます。
また、遺骨ダイヤモンドは何も知らない他人から見ると宝石そのもの。盗難にあってしまう可能性もありますので、持ち出すときはもちろん、ご自宅でも最新の注意を払いましょう。

おわりに

近年では海での散骨や、宇宙葬が出てきたり、墓じまいをする家庭も増えるなど、今までお墓に納骨するのが当たり前だった頃とは明らかに違った時代とになっています。
遺骨ダイヤモンドも、故人の供養のひとつとして検討してはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました